遺言には、どんな項目を書くのですか?
遺言には、何が書かれていると思いますか?
「誰に、どの財産を相続させる。」等の財産の分配が書かれていることは当然ですが、それ以外にも、良く書かれている項目が、いくつかあります。
そこで、遺言を作ろうとする方のご参考のために、遺言に良く書かれる「予備的遺言」「祭祀主宰者の指定」「遺言執行者の指定」「付言」について、ご紹介しましょう。
◆ 予備的遺言
予備的遺言とは、補充遺言とも言いますが、次のようなものを言い、実際の遺言作成でも、良く利用されています。
例えば、奥さんとお子さんが二人いるAさんが、遺言を作ろうとしたとします。
その場合、通常は、奥さんとお子さん二人に、どの財産を相続させるかを遺言に記載することになります。しかし、もしかしたら、奥さんはAさんが亡くなる以前に亡くなるかも知れません。そこで、その場合に備えて(予備的に)、奥さんがAさんよりも先に亡くなったときには、「奥さんに相続させるつもりであった財産をどうするか」も記載しておくことが出来ます。これが、予備的遺言と言います。
◆ 祭祀主宰者の指定
遺言で、祖先や遺言者を祀る者を指定しておくことも、良くあります。それを、祭祀主宰者の指定と言います。
祭祀主宰者の指定をするときには、お墓や仏壇なども、指定された祭祀主宰者が承継するものとしておきます。
◆ 遺言執行者の指定
遺言者が亡くなった後に、遺言内容を実現することを、「遺言の執行」と言います。この「遺言の執行」をする方(遺言執行者)を指定することができます。
当たり前ですが、遺言は作成するだけでは意味がなく、その遺言内容を実現する必要があります。しかし、不満のある相続人が居る等の理由で、遺言が迅速に実現されないことがあります。そこで、遺言執行者を指定しておき、遺言内容の迅速な実現に務めるのです。実際の相続手続では、遺言執行者の実印だけで手続きを済ませることも可能で(相続人の実印は不要)、遺言執行者を指定しておく意味はとても大きいです。
遺言を公正証書で作るときには、必ず遺言執行者の指定をしています。
◆ 付言
多くの遺言でそうだと思いますが、その遺言を作った理由、遺言のように財産を分けた理由があるはずです。また、家族に対する感謝の気持ち、遺言者が居なくなった後の家族への希望(仲良く、穏やかに暮らして欲しい等)などもあるかと思います。これらのことも、遺言に記載しておくことができ、これを、「付言」と言います。
遺言者の気持ちが相続人に伝わりますので、財産を巡る紛争を回避し、遺言の円滑な実現を図る上で有益だとされていますし、それを狙って、「付言」を作ることがあります。
「付言」というのは、聞き慣れないでしょうが、実際の遺言では、良く(非常によく?)使われています。
【良く見かける遺言の構成】
よく目にする遺言は、以下の順番で書かれていることが多いように思います。
第1条 「誰に、どの財産を相続させる。」等の財産の分配
第2条 予備的遺言
第3条 祭祀主宰者の指定
第4条 遺言執行者の指定
最後に、「付言」
当事務所のサポートコース
当事務所でご提供している遺言作成のサポートコースをご紹介しておきます。
[自筆証書遺言サポート・コース]
自筆証書遺言を作成する場合には、もちろん、法律が定めている要件を守る必要があります。しかし、円滑な相続を実現するためには、ご夫婦およびお子さんの今までの関係だけではなく、将来の関係も配慮すべきでしょう。
ご事情に合った配慮をしながら、遺言を作られる方の疑問を解消し、納得して頂ける内容の原案作成をサポートいたします。
基準となる報酬額は、50,000円(消費税別)です。
[公正証書遺言サポート・コース]
公正証書遺言の場合には、公正証書は公証人が作成しますから、その前提として、作りたい遺言の原案を作る必要があります。
この原案をお作りした後、公証人との打ち合わせ・公正証書遺言の作成依頼は私が承ります。面倒な公証役場とのやり取りは、お任せください。
基準となる報酬額は、70,000円(消費税別)です。
(注1)難しい事案・事務処理に時間を要する事案などにつきましては、依頼者とお話合いをして、報酬額を決めさせていただく場合があることは、ご承知おきください。
(注2)公証人への手数料、そのほかの交通費・実費は、別途、ご負担をお願いいたします。
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