離婚から数年した後の財産分与。合意書の注意点は?
離婚から何年かして財産分与をするケースもあります。
「どのような財産分与をしたのか」について、きちんとした証拠(合意書・離婚協議書という書類)を残しておきたいものです。特に、金額的に大きなものになれば、尚更です。
実際にあったケースをもとに、お話をしてみましょう。
【 具 体 例 】
離婚してから4年後に、結婚中に夫の名義で購入した不動産を売却することになりました。
このご夫婦が結婚中に協力して築いた財産は、この不動産くらいしかありません。つまり、財産分与の対象は、この不動産しかないということです。
しかし、離婚しても夫と子供達が、その不動産に住み続けるため、離婚時に、不動産を売却して、金銭で分けることができませんでした。そこで、ご夫婦間で、将来、不動産を売却するときに、財産分与をしましょうという約束をしていたのです。
では、不動産を売却して、金銭を財産分与として分けるとき、合意書などの書類を作るには、どういう点に注意したらいいのでしょうか?
離婚の時に財産分与をするのであれば、 「財産分与として、〇〇〇万円支払う。」という合意書・協議書を作っておけば良いですね。
しかし、このご夫婦には、以下の2つの大きな問題点があります。
1.離婚してから財産分与まで、長い期間が空いている。
2.金額が数千万円という多額である。
離婚から、財産分与としての金銭の振込みまで、長い期間が空いていますから、もし、税務署によって、金銭の振込みが離婚とは関係ないものと扱われると、贈与と認定されてしまう恐れがあります。
しかも、金額が数千万円となると、贈与税の税率は、かなり高くなります。
そこで、このご夫婦のケースでは、金銭の振込みが贈与と認められる可能性をなくす必要があります。
ご相談者の元夫は、市役所の法律相談へ行って来たとして、ご自分で作った書面をお持ちでした。その内容は、不動産を売却した金銭の半分を、元妻へ振り込むというものでした。
これだと、離婚と金銭の振込みとの関係が、明らかではないですね。
当初、元夫とお話をしても、離婚の時のご夫婦の約束は明らかになりませんでした。
しかし、元妻とお会いする機会がありましたので、色々とお話をしてみました。そうすると、離婚時には、元夫と子供達が住居として使用するため、不動産を売却できないので、先々、不動産を売却する時に、売却代金を2人で分けようという話がされていたことが分かりました。
この約束の実行として、今回の振込みをすることを明らかにすれば、離婚と金銭の振込みが繋がります。
そこで、今回作った合意書では、冒頭で、
離婚から現在までの経緯(離婚時に不動産を売却できなかった理由と、売却する時に財産分与をするという離婚の時の約束)、
この合意書を作成する目的(離婚時の約束を実行することを明らかにする)を記載し、
離婚と金銭の振込みとの関係を明らかにすることにしました。
この合意書は、お2人が署名押印する前に、税理士さんと弁護士さんにも見て頂きましたが、「贈与とされる恐れはないだろう。」というお言葉を頂きました。
このような配慮をしながら書類を作ったのは、初めての経験ですが、「合意書・離婚協議書を作るときにも、工夫が必要なケースがある。」という例としてご紹介をしました。
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