公正証書遺言 その要件は?
1.公正証書遺言の要件
公正証書遺言について、民法の要求している要件は、次のとおりです。
(1)遺言をする人が、遺言の内容を公証人に説明します。
(2)公証人が、その説明を書き取ります。
(3)証人が2人以上必要です。
(4)公証人は、書き取った内容を遺言者と証人に読み聞かせるか、閲覧させます。
(5)遺言者が署名押印します。
(6)証人も署名押印します。
(7)公証人が、公正証書遺言の方式(上記の(1)~(6)の方式)により作成したことを付記して、署名押印します。
(東京都港区にある新橋公証役場の看板です。街を歩いていても、時々、公証役場の文字を見かけます。)
2.証人について
公正証書遺言を作成するためには、証人2人以上が必要です。
この証人には、一定の範囲の人はなることが出来ません。例えば、未成年者・相続人となる者・受遺者等は、証人となれません。
証人には、この様に制限がありますし、また、証人は遺言の内容を知ってしまいます。もし、証人として適当な人がいなければ、行政書士にご相談下さい。行政書士であれば、秘密を守ってくれます。
3.遺言者の署名押印
遺言を作成される方の中には、ご病気等でご自分では署名できない方もいらっしゃいます。
その様な場合には、公証人がその理由を記載して、公正証書遺言を作成してくれます。
4.公証人の出張
公正証書遺言を作成しようとする場合、遺言者が公証役場に出向くのが通常です。
しかし、遺言者がご病気等の理由で、公証役場に出向くことができない場合もあります。
その様な場合には、公証人に出張してもらって公正証書遺言を作成してもらうことも出来ます。
公証役場 紹介
今回は、世田谷区三軒茶屋にある世田谷公証役場のご紹介です。
世田谷公証役場には、以前に1回、お世話になったことがあります・・・私も苦労した、とても記憶に残る公正証書でした。
世田谷公証役場は、東急田園都市線の三軒茶屋駅から徒歩5分で、ニンジン色のキャロットタワーの斜め横のビルにあります(最近、キャロットタワーと名づけられた理由を知りました・・・ニンジン色だからだそうです)。1階がドコモショップになっているビルです。
世田谷公証役場では、オリジナルの「公正証書遺言作成の手引書」をお作りになったそうです。積極的な公証役場ですね。希望すれば、メールや郵送で送って下さるそうですから、興味のある方は、下記のホームページの「お知らせ」をご覧ください。
【世田谷公証役場】 世田谷区三軒茶屋2-15-8 ファッションビル4階 TEL03-3422-6631
世田谷公証役場のホームページ 詳細はこちら >>
(世田谷公証役場が入っているビルの入り口です。)
落ち込んだり泣いたりと、離婚は感情が変化すると
思いますので、なんでもご相談くださいませ。
よくある質問 相談について
遺言についてよくある質問についてご紹介いたします。
【あるメール相談から】 年金で細々と生活していて、銀行口座は夫が700万円、妻が600万円ですが、それぞれが先に亡くなった場合に備えて、遺言を作成しようか考えています。 相続税も課税されない、このような金額の相続の場合、遺言は不要でしょうか? |
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遺言がないときには、民法が定める相続(法定相続)となります。つまり、民法には、夫や妻が亡くなった場合の相続人とその相続分が規定されていますが、遺言がないときには、その民法の定めに従った相続となります。 それに対し、遺言を作成することによって、民法の定める相続とは異なる、遺言者が希望する相続を実現することができます。 従って、「どのような相続を実現したいのか」という観点から、遺言の必要性をお考え下さい。
相続税の問題は、以上とは別の問題です。 |
予備的遺言というものがあるそうですが、予備的遺言とは、どのようなものですか? |
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予備的遺言とは、補充遺言とも言いますが、以下のようなものを言います。
例えば、奥さんとお子さんが二人いるAさんが、遺言を作ろうとしたとします。 その場合、通常は、奥さんとお子さん二人に、どの財産を相続させるかを遺言に記載することになりますね。しかし、もしかしたら、奥さんはAさんが亡くなる以前に亡くなるかも知れません。そこで、その場合に備えて(予備的に)、奥さんが先に亡くなったときには、「奥さんに相続させるつもりであった財産をどうするか」も記載しておくことが出来ます。これを、予備的遺言と言います。
実際の遺言作成では、良く使われます。 |
遺言を作りたいのですが、遺贈とは何なのかを教えてください。 特定遺贈と包括遺贈があるのでしょうか? |
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遺贈とは、「遺言によって、遺言者(遺言を作った方)の財産を無償で贈ること」を言います。 遺贈は相続人に対してすることもできますが、相続人以外の方に対してすることもでき、実際には、相続人以外の方に対してするのが一般的かと思います。
この遺贈のうち、特定の財産(例えば、〇〇〇銀行○○支店の普通預金)を贈ることを特定遺贈と言います。それに対して、遺言者が有する財産の全部または割合で示した一部を贈ることを包括遺贈と言います。 両者の違いは、包括遺贈では贈る財産の中に債務が含まれている点にあります。内縁の配偶者に全財産を包括遺贈した場合、内縁の配偶者は債務を含めて財産をもらうことになります・・・内縁の配偶者に全てを委ねるのですから、その方がいいですね。 |
遺言を公正証書で作ろうと思うのですが、必要とされる証人2人を揃えることができずに困っています。 このようなときは、どうすればいいのでしょうか? |
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公正証書で遺言を作るときには証人2人が必要ですが、相続人となることが予想される方(推定相続人)、遺言で財産をもらう方(受遺者)などは証人にはなれません。また、証人をお願いすると、遺言の内容を知ってしまいますから、証人をお願いするのに相応しい方は少ないかも知れません。 そのようなときは、公証役場にお願いすれば、法務局のOBを証人として用意してもらえます。お礼は必要ですが、おそらく二度と会うことはありませんから、気持ちは楽だと思います。
なお、私が公正証書遺言の作成をお手伝いするときには、私も証人を務めさせていただきますし、もう1人の証人として、仲間の行政書士をお連れすることも出来ます(その方へのお礼は必要ですが)。 |
ご相談などございましたら、ぜひ瓜生(うりゅう)までご連絡くださいませ。