離婚と税金(3) 財産分与と譲渡所得税

離婚と税金(3) 財産分与と譲渡所得税

 

離婚する場合、結婚なさって数年で、お子さんも小さいケースでは、養育費が大きな問題になることが多いですね。それに対して、結婚生活も長くなってくると、お子さんのことだけではなく、財産のことも問題になってきます。財産分与です。そして、不動産等を財産分与する場合には、譲渡所得税が問題となります。そこで、財産分与と譲渡所得税について、ご説明しようと思います。

 

ただ、税金はやはり難しいですね(実感です)。税理士さんという職業が成り立つはずです。このページは、ご参考に留めておいて頂きたいと思います。

 

実際に、離婚の際の税金についてお悩みの方には、私が親しくさせて頂いている税理士さんをご紹介いたしますので、お気軽にご連絡ください。

 

1 譲渡所得税とは?

 

資産の譲渡による利益(所得)には所得税が課税されます。これが、譲渡所得税です。

 

簡単に言えば、5,000万円で買った土地が、6,000万円で売れると、1,000万円の利益が出ますが、ここに所得税が課税されることになります。

 

逆に、土地が値下がりした場合には利益はありませんので、課税されません。

 

2 財産分与でも譲渡所得税が問題になるの?

 

土地の売買のように、実際に売買代金を受け取る場合であれば、利益に課税されるというのは分かり易いですね。その点、財産分与の場合には、土地は譲渡するのですが、代金をもらうわけではありませんから、利益があると言われても、実感がないかも知れません。

 

裁判でも、財産分与の場合に譲渡所得があるとして課税するというのは、妥当なのか否か争われたことがあります。しかし、最高裁判所は、財産分与をすることによって、財産を分与する義務の消滅という経済的利益を受けている等の理由で譲渡所得課税を認めています。

 

3 税率

 

税率は、所有期間が5年を超えるか否かによって、変わってきます(5年を超えるか否かは、譲渡した年の1月1日現在で考えます)。

 

所有期間が5年を超える場合は、所得税が15パーセント、住民税が5パーセントです。他方、所有期間が5年を超えない場合は、所得税が30パーセント、住民税が9パーセントとなります。

 

ただ、居住用住宅の場合には、3,000万円の特別控除があります。これは、居住用住宅の場合には、3,000万円以上の利益が出ていなければ課税されないということです。

 

上記以外にも、譲渡所得の計算などについて、難しい点が多くあります。譲渡所得について疑問がある場合には、税務署・税理士さんに、是非、ご相談ください。

 

不動産が財産分与の対象となるときには、離婚協議書、または、公正証書を作成することになるでしょう。離婚協議書・公正証書を作る時は、先々、税金の問題が生じるのか否かも考慮して、その内容を検討してください。税金の問題を考慮しない内容では、妥当な財産分与とはならないと思います。

 

 

離婚と税金(3) 財産分与と譲渡所得税

 

 

ページ名 「離婚と税金(3) 財産分与と譲渡所得税 離婚後の安心をサポートさせていただきます」
文責 行政書士による協議離婚サポート・東京運営 東京都杉並区 行政書士 瓜生和彦

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よくある質問 相談について

離婚、公正証書についてよくある質問についてご紹介いたします。

 

離婚することには合意しましたが、養育費などの約束は、これから話し合います。

離婚協議書か公正証書を作りたいと思っていますが、具体的には、まだ何も決まっていませんが、相談に乗ってもらえますか?

具体的な話し合いはこれからするというときでも、ご相談にお乗りいたします。
ご事情やお考えをお聞きして、決めておくこと、決め方、進め方などについて、アドバイスさせていただきます。

話し合いの前に、ご相談いただくことは、事前準備ができますから、プラスも多いかと思います。

 

 

離婚のときに、公正証書を作るメリットは何ですか?

公正証書の最大のメリットは、一定の金銭を、一定の時期に支払うという内容の公正証書を作って、金銭を支払う人の「強制執行をされてもよいという文言」を記載しておけば、金銭の支払いが滞ったときに、その公正証書を根拠として強制執行ができる、という点にあります。

従って、離婚のときに、養育費・慰謝料・金銭の支払いによる財産分与などの約束があるときには、公正証書を作っておけば、その未払いがあっても裁判所を利用して、強制的に支払いをさせることができます。ここに、公正証書を作るメリットがあります。

 

 

【公正証書の内容のご相談】

離婚した後に、夫が所有する家を借りようと思います。理由は、お子さん達を、今と同じ学校に通学させたいので。

夫は、「家賃は安くするので、それが養育費代わりだ。」と言っています。離婚の時には、公正証書を作ろうと思いますが、夫の言うことに従って、安い家賃を養育費代わりとし、養育費の支払いについては決めなくてもいいのでしょうか?

家の貸し借りの約束とは別に、「養育費を月〇万円支払う。」という約束(契約)を、公正証書で決めておいた方がいいですね。

 

具体的に考えて見ましょう。

仮に、相場からすると、その家の家賃が15万円とします。ご主人としては、家賃は5万円として、差額の10万円は養育費代わりというお気持ちとしましょう。

この家を貸すという約束が守られている間はいいのでしょうが、問題は、約束が守られなくなったときです。奥さんが家から出て行くときには、養育費に関する約束がないことになってしまいます。

 

結論としては、この場合は、ご主人は、養育費を10万円支払う、他方、奥さんは、家賃として15万円支払う、と言う約束をしておくべきです。

養育費代わりに家賃を安くする場合と、実質的には同じなのですが、このような約束にして、かつ、公正証書を作成しておけば、仮に、奥さんが家から出ることになっても、10万円の養育費の支払いについては、公正証書があり、万一、ご主人の養育費の支払いが滞っても、強制執行できる可能性を残すことができからです。

 

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