1.簡単な具体例でご説明
結婚して20年になるご夫婦がいます。ご主人を信彦さん、奥さんを恵子さんとしましょう。お二人の間には、美樹ちゃんという16歳の娘さんがいます。しかし、ご主人の信彦さんには、不倫関係にある女性がいて、奥さんの恵子さんは、苦しみ悩みましたが、二人で離婚することに合意しました。
離婚の中には、裁判によって離婚する場合もありますが、離婚の9割は協議離婚です。具体例のように、ご夫婦の話し合いで離婚に合意して離婚届を提出する場合が協議離婚です。
離婚に際しては、いくつかの約束がされる場合も少なくありません。特に、協議離婚の場合には裁判所が関係しないため、約束は、後日の証拠として、自分で書面にしておく必要が高くなります。
この離婚の際の約束(法律的な性質は契約です。)を書面にしたものを離婚協議書と言います。
口約束だけでは、後になってから、何について、どんな内容の約束をしたのかが不明確となりトラブルになるおそれがありますが、、離婚協議書を作成しておけばトラブルの防止に役立ちますね。
別の言い方をすると、離婚後、恵子さんが美樹ちゃんを育て、信彦さんが養育費を支払うとすると、恵子さんには「養育費を、いくら払って下さい。」という権利があり、信彦さんには養育費を支払う義務があることになります。恵子さんとしては、この権利を実現し続けたいですね。そのためには、離婚するときに、恵子さんの権利・信彦さんの義務を明確にしておくことが重要です。
守りたい権利を、離婚協議書で明確にしておくこと、それが権利を守る第一歩なのです。
2.離婚協議書に決めておく事項
(1)未成年のお子さんがいる場合は、どちらが親権者になるのか
具体例のケースでは、美樹ちゃんの親権者を決めておきます。親権者が誰かは離婚届にも記載します。
(2)未成年のお子さんがいる場合は、養育費はどうするのか
養育費については、誰が、いくら、どのように支払うのか、を決めておかなければなりません。
具体例で、ご主人の信彦さんが支払うとすれば、信彦さんが、いくら・どのように支払うのかを決めておきます。
また、いつまで支払うのかも決めておく必要があります。美樹ちゃんが高校を卒業するまでなのか、成人するまでなのか等について決めておきます。
(3)親権者にならなかった親が子供に会ったり・電話することをどうするのか。これは、面会交流(面接交渉)と言われます。
具体例で、恵子さんを親権者とした場合に、信彦さんが美樹ちゃんにどのように会うのか等をきめておきます。
(4) 財産分与はどうするのか
財産分与とは、簡単に言えば、信彦さん・恵子さんというご夫婦が15年の結婚生活中に協力して築いてきた財産を、離婚の時にそれぞれに分配することです。
(5) 慰謝料はどうするのか
具体例では、信彦さんの不倫がありますから、恵子さんが慰謝料をもらうとすれば、慰謝料を決めておくこともできます。
以上が、離婚協議書に記載する典型的な事項ですが、年金分割など、それぞれのご夫婦で決めておく内容には違いがあります。それぞれのご夫婦のお考えやご事情により、典型的の事項に加えて、様々な内容を記載することができるのです。
3.離婚の時にされる約束の中には、金銭の支払いを内容とするものがあります。そのような約束については、公正証書にしておくと後々、安心です。
少し具体的にご説明すると、お子さんがいると養育費の支払いについて約束がされます・・・毎月、養育費を支払うという約束ですね。
養育費を払ってもらうことは、お子さんを育てるお母さん(あるいは、お父さん)にとっては、とても大切なことですが、支払いが滞ることがあります。そのときに、公正証書があれば、公正証書を根拠として、裁判所を利用して養育費を強制的に支払わせることが出来るのです(強制執行により支払わせます)。
離婚の時に、金銭の支払いを約束するものとしては、養育費の支払いがありますが、その他にも、慰謝料の支払いや財産分与の支払いがあります。
そのような時に、公正証書の利用が多くなっています。公正証書を作ることは、大変かも知れませんが、考えて見てください。
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ページ名 「離婚協議書を作ろう。離婚後の安心をサポートさせていただきます」
文責 行政書士による協議離婚サポート・東京運営 東京都杉並区 行政書士 瓜生和彦
落ち込んだり泣いたりと、離婚は感情が変化すると
思いますので、なんでもご相談くださいませ。
よくある質問 相談について
離婚、公正証書についてよくある質問についてご紹介いたします。
離婚の公正証書ができるまでの流れは、どうなりますか? |
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概略、以下のようになります。
*公正証書ができるまでを、物語風にご説明したページもあります。こちらからどうぞ。>> |
養育費については、公正証書を作るメリットが大きいと聞きましたが、どういうことでしょうか? |
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養育費を払ってもらうための強制執行では、特例が認められています。 例えば、会社員である元の夫が、養育費の支払いを怠ったときには、元の妻は、毎月の養育費のために、元の夫の将来の給料も差押えることができ、将来の養育費も給料から天引きで受け取ることが出来ます・・・別の言い方をすると、「元の妻は、毎月裁判所に申し立てをしなくても、給料日ごとに元の夫の勤務先から、養育費に相当する金銭を支払ってもらえる」のです。
強制執行では、「既に未払いになっている金銭を支払ってもらう」のが原則ですから、将来の養育費も、元の夫の先々の給料からもらえるというのは大きなメリットです。これは、養育費がお子さんの日々の生活を支えるために必要な金銭であることから認められました。 |
離婚するのですが、夫が慰謝料を払うことを承知しました。 慰謝料の支払いがある場合も、公正証書を作っておくべきなのでしょうか? |
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公正証書は、支払金額と支払期限が決まっている約束をしたにも拘わらず、金銭の支払いが滞ったときに、強制執行の根拠になります。支払を強制できるという点で、ここに公正証書を利用するメリットがあります。 そこで、慰謝料の支払いを考えて見ると、例えば、離婚前に、慰謝料を一括して支払ってもらえるのであれば、もう支払いは済んでいるので、公正証書を作成するメリットはありませんね。 他方、慰謝料の支払いが離婚後になる場合には、それが一括払いでも、分割払いでも、支払が滞る恐れがありますから、公正証書を作成するメリットがあることになります。 慰謝料の支払方法がどうなっているのか、それを考えて、公正証書の作成を考えてください。 |
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