1.離婚届の不受理申出とは
離婚届を勝手に出されては困るというとき等に、離婚届が受理されることを防ぐために、離婚届の不受理申出という方法があります。
離婚届は、必要事項が記載されていれば、それが本人の署名かどうかを確認することなく受理されます。そして、一旦、戸籍に離婚の記載がされると、それを抹消するには裁判所での手続きが必要になり非常に,面倒です。そこで、相手が勝手に離婚届を提出する恐れがある場合などには、不受理申出をしておくことが有効です。
2.不受理申出の方法は
離婚届の不受理の申出が出来るのは、1、届出の意思がなく、届出に署名押印したこともない、または、2、届出に署名押印したが、その後届出の意思をなくした、という場合です。
不受理の申出は、本籍地以外の役所に提出することも出来ますが、この場合だと、不受理の書類を受け取った役所が本籍地の役所に書類を送付するため、その間に離婚届が誤って受理される恐れがあります。従って、不受理の申出書は、本籍地の市区町村役場に提出する方が安全です。なお、市区町村役場には、不受理申出書があり、書類を提出する必要があります。前に区役所の担当者から、電話で問い合わせがあるというお話しをお聞きしたことがありますが、電話では不受理の申出になりませんから、ご注意ください。
この不受理の申出の効力は、かつては六ヶ月しかありませんでしたが、平成20年5月からは、本人が不受理の申出を取り下げるまで、不受理の効力が続くことになりました。
私がかつて取り扱った事案でも、離婚届の不受理の申出がされていたケースがありました。そのケースは、ご主人の暴力があり、奥さんからは数百万円の慰謝料の請求がありました。ご主人は、早く離婚したい。しかし、奥さんは慰謝料の話合いが合意するまでは、離婚届を提出するつもりはない。もしかして、ご主人が離婚届を提出するのではと感じた奥さんは、不受理の申出をしておき、安心して慰謝料の話合いを行なったのです。離婚する際には、十分な話合いが必要ですが、奥さんは、不受理の申出をすることにより、安心して話合いができる状況を作ったのです。そのケースでは、奥さんは、納得のいく慰謝料を合意することが出来ました。
落ち込んだり泣いたりと、離婚は感情が変化すると
思いますので、なんでもご相談くださいませ。
よくある質問 相談について
離婚、公正証書についてよくある質問についてご紹介いたします。
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離婚では、どのような時に、公正証書を作っておくべきですか? |
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公正証書は、期限の決まった金銭の支払いを内容とする約束で、金銭の支払いが滞ったときに、強制執行の根拠になります。ここに公正証書を利用するメリットがあるのです。 そこで、離婚について言えば、養育費の支払いについて約束がある場合には、公正証書を作っておくべきですね。その他に、慰謝料の支払いがある、財産分与としてお金の支払いがある場合なども公正証書を作っておくべき場合ですね。
その他にも、公正証書は、公証人が作る公文書で信用力・証明力が強いですから、しっかりした信用性のある証拠を作っておきたい場合にも、公正証書の作成を考えることがあります。最近扱った例では、7年先の退職金についての財産分与の契約を公正証書でしました。これは、強制執行できる契約ではなかったのですが、奥様がしっかりとした契約を信用性の強い公正証書ですることを希望されたのです。将来の紛争を未然に防止しようとされたのです。
公正証書の作成についてお悩みであれば、ご相談くださいませ。 |
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【公正証書の内容のご相談】 離婚した後に、夫が所有する家を借りようと思います。理由は、お子さん達を、今と同じ学校に通学させたいので。 夫は、「家賃は安くするので、それが養育費代わりだ。」と言っています。離婚の時には、公正証書を作ろうと思いますが、夫の言うことに従って、安い家賃を養育費代わりとし、養育費の支払いについては決めなくてもいいのでしょうか? |
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家の貸し借りの約束とは別に、「養育費を月〇万円支払う。」という約束(契約)を、公正証書で決めておいた方がいいですね。
具体的に考えて見ましょう。 仮に、相場からすると、その家の家賃が15万円とします。ご主人としては、家賃は5万円として、差額の10万円は養育費代わりというお気持ちとしましょう。 この家を貸すという約束が守られている間はいいのでしょうが、問題は、約束が守られなくなったときです。奥さんが家から出て行くときには、養育費に関する約束がないことになってしまいます。
結論としては、この場合は、ご主人は、養育費を10万円支払う、他方、奥さんは、家賃として15万円支払う、と言う約束をしておくべきです。 養育費代わりに家賃を安くする場合と、実質的には同じなのですが、このような約束にして、かつ、公正証書を作成しておけば、仮に、奥さんが家から出ることになっても、10万円の養育費の支払いについては、公正証書があり、万一、ご主人の養育費の支払いが滞っても、強制執行できる可能性を残すことができからです。 |
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