公正証書ができるまで(1)「公正証書を作りたい」
1. 「離婚をするので公正証書を作っておきたいのですが・・・・・」。 良くあるお問い合わせです。
しかし、そのように電話・メールをくださる方も、行政書士にサポートしてもらいながら、離婚の公正証書を作ることに、具体的なイメージをお持ちではないようです。
そこで、公正証書が出来るまでを、物語的にご紹介しようと思います。
この物語については、複数のご依頼から学んだことを参考にはしましたが、フィクションであることを、お断りしておきます。
また、吉澤さんというお名前も、物語に具体性を持たせるために使用しており、実在する方々とは、全く無関係であることも、お断りしておきます。
(多摩地区には公証役場が少ないのですが、その1つ、府中公証役場の入り口です。京王線府中駅から徒歩4~5分程度の交通の便の良い公証役場です。藤和ハウスが1階にあるビルにありますから、藤和ハウスを目印にすると分かりやすいです。)
2. 吉澤さん(仮名)からお電話をいただいたのは、確か土曜日の午前中だったと思います。一時間くらいお話しました。
吉澤さんのお話によると
(1) 結婚して広島県に住んでいたが、一年前にご主人と別居して、ご実家のある埼玉県に帰って来た。
(2) 離婚することに合意したが、離婚は価値観の違いによるもので、円満な離婚である。
(3) お子さんは、女の子が一人、保育園に通っている。
(4) お子さんの養育費等が気になるので、離婚に際しては、ご主人との間で、しっかりとした約束をしておきたい。ご希望としては、公正証書を作りたい。
(5) 公正証書を作るとして、現在はご主人が広島県、吉澤さんは埼玉県に住んでいるが、公正証書は、どうやって作るのでしょう?
などなどであった。
ご主人と離れて暮らしている場合に、『どのようにして公正証書を作るか?』については、私がご主人の代理人となって公正証書を作ることが出来ますよ、等のお話をしました。
代理人によって公正証書を作る場合の注意点は、また、後で書くこととします。
3. そこで、まず、今までご主人と話し合っていた内容を、メールで教えていただくことにしました。
メールは、その日の深夜に来ました。
その内容は、
(1) 母親が親権者となり子供を育てる。
(2) 養育費は、毎月6万円で、月末までに支払う。
(3) ご主人は、子供の大きな病気等について、金銭面の負担も含めて相談に乗る。
(4) ご主人は、1年に複数回は子供と過ごす時間を作る。
(5) 住所・仕事等に変更があった場合には、お互いに知らせる。
とのことでした。
4. さあ、次は、いただいたメールの内容を検討して、吉澤さんと詳しいお話をする必要があります。
お会いしてお話ができるのであれば、お会いしたいのですが、吉澤さんの場合は、吉澤さんが埼玉県、私が東京都で少し離れていますので、電話やメールでお話を進めることにしました。ケース・バイ・ケースですが、大切なことですから、時間を掛けてお話しすることが少なくありません。
一般的に言っても、ご依頼があって仕事を進めていくうえでは、連絡は頻繁に取るようになります。お互いの意思の疎通のためにも必要ですし、依頼した案件が、今どういう状態にあるのかが分かる方が、依頼者としても安心なさるでしょう。
吉澤さんからは、次の日の夜10時頃にお電話をいただくことにしました。これは、お子さんが小さいため、それくらいの時間にならないと落ち着いてお話ができないとのことでした。
次の日、夜10時近くになって電話をお待ちしていましたが、10時半になっても、11時になっても、吉澤さんからのお電話はありませんでした。
待ちぼうけです・・・。
この物語については、複数のご依頼から学んだことを参考にしましたが、フィクションであることを、改めて、お断りしておきます。また、吉澤さんというお名前も、物語に具体性を持たせるために使用しており、実在する方々とは、無関係であることも、お断りしておきます。
ページ名 「公正証書ができるまで・・・公正証書を作りたいのですが。離婚後の安心をサポートさせていただきます」
文責 行政書士による協議離婚サポート・東京運営 東京都杉並区 行政書士 瓜生和彦
落ち込んだり泣いたりと、離婚は感情が変化すると
思いますので、なんでもご相談くださいませ。
よくある質問 相談について
離婚、公正証書についてよくある質問についてご紹介いたします。
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離婚では、どのような時に、公正証書を作っておくべきですか? |
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公正証書は、期限の決まった金銭の支払いを内容とする約束で、金銭の支払いが滞ったときに、強制執行の根拠になります。ここに公正証書を利用するメリットがあるのです。 そこで、離婚について言えば、養育費の支払いについて約束がある場合には、公正証書を作っておくべきですね。その他に、慰謝料の支払いがある、財産分与としてお金の支払いがある場合なども公正証書を作っておくべき場合ですね。
その他にも、公正証書は、公証人が作る公文書で信用力・証明力が強いですから、しっかりした信用性のある証拠を作っておきたい場合にも、公正証書の作成を考えることがあります。最近扱った例では、7年先の退職金についての財産分与の契約を公正証書でしました。これは、強制執行できる契約ではなかったのですが、奥様がしっかりとした契約を信用性の強い公正証書ですることを希望されたのです。将来の紛争を未然に防止しようとされたのです。
公正証書の作成についてお悩みであれば、ご相談くださいませ。 |
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離婚するのですが、夫が慰謝料を払うことを承知しました。慰謝料の支払いがある場合も、公正証書を作っておくべきなのでしょうか? |
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公正証書は、支払金額と支払期限が決まっている約束をしたにも拘わらず、金銭の支払いが滞ったときに、強制執行の根拠になります。支払を強制できるという点で、ここに公正証書を利用するメリットがあります。 そこで、慰謝料の支払いを考えて見ると、例えば、離婚前に、慰謝料を一括して支払ってもらえるのであれば、もう支払いは済んでいるので、公正証書を作成するメリットはありませんね。 他方、慰謝料の支払いが離婚後になる場合には、それが一括払いでも、分割払いでも、支払が滞る恐れがありますから、公正証書を作成するメリットがあることになります。 慰謝料の支払方法がどうなっているのか、それを考えて、公正証書の作成を考えてください。 |
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主人と離婚の話し合いを進めてきましたが、思うようには進みません。 公正証書を作るために、相手方への提案書のようなものを作って頂けるとのことですが、もう少し詳しく教えてください? |
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私が良くするのは、今までのお二人の話し合いで合意した事項とご相談者のご希望を踏まえて合意書(案)を作り、分かりにくい点については、簡単なコメントや説明を記載して、相手の方用のご参考資料を作るという方法です。 相手の方は、これを見ることによって、公正証書を作った場合にどのような取り決めとなるかが分かり、受け入れられる事項と受け入れられない事項が明らかになります。そして、何を協議しなければならないか、自分が受け入れることができるのはどこまでか等が明らかになると思います。 お二人の話し合いを進みやすく、また、具体的なものにするための方法と考えています。「公正証書では、どのような取り決めとなるのか」という具体的なイメージを持って協議を進めるべきだと考えています。 |
ご相談ならぜひ担当スタッフまでお問合せくださいませ。