離婚の際に使われる公正証書の簡単な具体例をご紹介しておきます。
平成15年第○○号
離婚に伴う養育費等に関する契約公正証書
本公証人は、当事者の嘱託によりその法律行為に関する陳述の趣旨を録取し、この証書を作成する。
山田太郎(以下「甲」という。)と山田花子(以下「乙」という。)は、このたび協議離婚することに合意し、それに伴い、平成15年○月○○日、子の養育費等について、次のとおりの契約を締結した。
第1条(離婚の合意)
甲と乙とは、協議離婚することに合意する。
第2条(親権者等)
甲乙間の長男山田一郎(平成8年10月5日生以下「丙」という。)の親権者を乙と定め、乙は丙が成年に達するまでこれを引き取り監護養育する。
第3条(養育費)
甲は乙に対し、丙の養育費として、平成15年○月から丙が成年に達する日の属する月まで、毎月5万円ずつ、25日限り送金して支払う。
第4条(特別出費)
乙が、丙の病気その他の事由により、丙のため特別の出費をしたときは、甲は、乙の請求により、その費用を直ちに支払う。
第5条(慰謝料)
甲は乙に対し、離婚による慰謝料として、金100万円を平成15年○月○○日限り支払う。
第6条(確認事項)
甲と乙は、本契約に定めた以外には相手方に対して何らの請求をしないことを相互に確認した。
第7条(強制執行認諾)
甲は、第3条及び第5条記載の金銭債務を履行しないときは、直ちに強制執行に服する旨陳述した。
以上
本旨外事項
(以下の部分に、山田太郎・山田花子の住所・氏名が記載されるとともに、公証人の署名が入ります。)
*「第7条(強制執行認諾)」の記載が重要です。この記載があることによって、裁判の費用・手間を省いて、いきなり強制執行できることになります。
(東京都豊島区にある池袋公証役場です。公正証書は、各地にある公証役場で、公証人に依頼して作成します。都内には、多くの公証役場がありますので、公正証書の作成も便利ですね。)
ページ名 「離婚の際の公正証書の具体例 離婚後の安心をサポートさせていただきます」
文責 行政書士による協議離婚サポート・東京運営 東京都杉並区 行政書士 瓜生和彦
落ち込んだり泣いたりと、離婚は感情が変化すると
思いますので、なんでもご相談くださいませ。
よくある質問 相談について
離婚、公正証書についてよくある質問についてご紹介いたします。
離婚のときに、公正証書を作るメリットは何ですか? |
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公正証書の最大のメリットは、一定の金銭を、一定の時期に支払うという内容の公正証書を作って、金銭を支払う人の「強制執行をされてもよいという文言」を記載しておけば、金銭の支払いが滞ったときに、その公正証書を根拠として強制執行ができる、という点にあります。 従って、離婚のときに、養育費・慰謝料・金銭の支払いによる財産分与などの約束があるときには、公正証書を作っておけば、その未払いがあっても裁判所を利用して、強制的に支払いをさせることができます。ここに、公正証書を作るメリットがあります。 |
離婚の公正証書ができるまでの流れは、どうなりますか? |
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概略、以下のようになります。
*公正証書ができるまでを、物語風にご説明したページもあります。こちらからどうぞ。>> |
離婚の公正証書を作った時には、「送達」をしておいた方がいいのでしょうか? |
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公正証書で強制執行するためには、強制執行を開始する前に、公正証書の謄本(コピー)を債務者(養育費や慰謝料を支払う方)へ送る必要があります(これを、「送達」と言い、公証人が送ります)。「この約束を忘れていませんか?」と通知するためで、最後通牒のようなものです。
ただ、公正証書の場合には、特殊な対応が認められています。つまり、公正証書を作る時に、債務者が公証役場に来るのであれば、その場で、債務者へ謄本を渡して、受取を作ることで、この送達を終わらせることができます。これを、「交付送達(または、公証人送達)」と言います。 公証役場の実務では、交付送達が行われのが、通常だと思います。特に、離婚で、養育費の支払いが約束される場合には、養育費の支払い期間が長くなり、債務者の住所などが分からなくなる恐れもありますから、公正証書を作った時に、「交付送達」をしておくことをお勧めします。 |
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